2011-04-15 春霞たなびきにけり 後撰集 月 [詞書]延喜御時、歌めしけるにたてまつりける 春霞 たなびきにけり 久方の*1 月の桂も 花や*2咲くらむ*3 紀貫之(後撰集・春上・一八) 春の霞がたなびく季節になったのだなあ。月に生えているという桂の木も、今頃、花を咲かせているのだろうか。 (秋に美しいともてはやされる月や桂だけれど、春には春の美しさがあるのだ) *1:ひさかたの〔枕詞〕:雨・月・雲・空・光などにかかる。 *2:や−らむ:係り結び〈疑問〉 *3:らむ〔助動〕:〜しているだろう(現在推量) 続きを読む