2011-04-05 今ぞ知るあかぬ別の 後撰集 暁 [詞書]男のはじめて女のもとにまかりてあしたに、雨の降るに帰りてつかはしける 今ぞ*1知る あかぬ別の 暁は 君をこひぢ*2に ぬるゝものとは よみ人しらず(後撰集・恋一・五六七) 今はじめてわかりました。名残の尽きない別れをせねばならない暁は、貴女が恋しくて堪らなくなって、わが恋に涙してしまうものなのですね。 (一時の別れがこんなに辛いものだとは……私とともに、空も泣いてしまうくらいに) *1:ぞ−知る:係り結び〈強意〉 *2:「恋ひ」と「恋路」の掛詞 続きを読む