おほぞらの月のひかりし

おほぞらの 月のひかりし*1 清ければ
影見し水ぞ*2 まづこほりける


よみ人しらず(古今集・冬・三一六)


空に昇った月の光があまりに冷たく清らかなので、その光を見た水がまず氷ってしまったようだなあ。
(冬の澄み切った夜空は、冴え冴えとした月の美しさを引き立てている。)



★ 已然形 + ば ★

用言の已然形 + 「ば」=順接の確定条件
 意味(1)原因・理由(〜ノデ、〜カラ)
    (2)続いてある事柄が起こる(〜スルト、〜シタトコロ)
    (3)恒常条件(〜スルトイツモ)



明けましておめでとうございます。
2010年暮れから、ぼちぼちとはじめた当ブログ。2011年もぼちぼちとやっていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

晦日から元日にかけて、雪の降った地方が多かったのではないでしょうか?
わたしの住んでいる滋賀南東部でも雪が降り、10センチほど積もりました。
除夜の鐘をつき、地元の神社へ初詣に行くころには空も晴れはじめ、冬の星座が綺麗に見えておりました。
暦上、月は見られず残念でした。
冬の月は、冴えた冷たい印象がより増して、秋の月とは異なる格別の美しさがあると思います。

*1:し〔副助〕:語調を整え、強意を表す。

*2:ぞ‐ける:係り結び〈強意〉